リズムから作曲。
あらゆるリズムパターンを取り入れろ。
作曲といえば、言うまでもなくメロディーですよね。
ところが多彩な作曲をするクリエイターはメロディーと同じくらい
リズムパターンを重視します。
メロディーを作曲していく前にリズムパターンを意識するのです。
例えば
こんなリズムパターンがあるとします。これは日本人ならみんな大好き盆踊りのリズムパターンです。別名 小室哲哉パターンとでも言いましょうか。
このリズムはアニソンを初め特にデジタル系ポップス等でよく見られます。日本語が乗りやすいことと、特徴的なリズムが心地よいパターンですね。
このリズムパターンを意識しながらメロディーを乗せていくのです。
サビが全編このリズムパターンの曲もたくさんありますし、いわゆるキメ部分でこのリズムパターンを持ってきても良いと思います。
16分音符を絡めて、よりデジタルポップス感を出すのもアリだと思います。
一番よくハマるのはテンポ(BPM)が120~140くらいの4つ打ち曲ですが、BPM=80~90あたりのスローな曲にもたくさん16分音符を絡めていくことで、言葉を詰め込んでいくような歌メロに出来たりします。
逆にアニソンのようなデジタルな香りを消していきたいという時は、16分音符の絡め方のセンスが大事ですね。
これはHIPHOPのラップで言うなら「フロウ」のセンスです。
音を細かく刻んでいながらも、大きなリズムパターンは小室哲哉パターンになっている、でもそれを聴き手に悟らせないくらいのヒューマンフィールにするには、16分音符やさらに細かい32分音符、コード感、シンコペーションやアウフタクト、これらのテクニックをバンバン投入していくのです。
「仕掛け」としての3連符や6連符というようなアプローチもありますが、まずは16分音符の使い方をしっかりとマスターすることが先決だと思います。
作曲はメロディーだけじゃない。
作曲というとメロディーに気を取られがちです。
ダンスミュージックでも、バラードでも、パンクでも、ボサノヴァだろうとディスコだろうと、いつも聴いている音楽を、メロディーではなくリズムパターンで聴き直してみてください。
きっと多彩なリズムパターンが盛り込まれていることに気付くと思います。
作曲はメロディーを生み出すことと同時にリズムを生み出すことでもあるのです。
Aメロ・Bメロ・サビと、それぞれ違うリズムパターンを、意図して取り入れていくのも、ひとつの作曲テクニックです。
あるいはAメロはサビの雰囲気を予感させるセクションにしたい時は、あえてサビに近いリズムパターンを意識的に投入していく。でも音程の動きはサビとは全然違うようにするわけです。
メロディーは全然違うのに、リズムパターンが同系統なので、聴き手にサビを「予感」させるという演出が出来るのです。サビに入った時に「期待通り」「覚えやすい」「キャッチーだ」、そんな風に感じさせてしまうのは、Aメロでの布石が残像として効いてるんですね。
作曲とは、そうして当たり前のように仕掛けを作るということでもあります。
リズムパターンという、メロディーありきの作曲では盲点とも言うべき要素。
是非一度、リズムという視点から音楽を聴いてみてください。
気持ちいいリズムパターン、キャッチーなリズムパターン。悲しいリズムパターン、感動させるリズムパターン。
これらはたくさんのメロディーに触れることと同じくらい大切なんです。
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