R&B進行
マイナーコードを使うと、クールでカッコイイ雰囲気を作り出せます。
|Am|Dm|Am|Dm|
または
|Am7|Dm7|Am7|Dm7|
など単純な循環やループは洋楽R&Bなどに、よく見られます。
バース・ブリッジ・コーラス(サビ)
すべてこのコード進行が循環しているだけの曲さえあります。
|Am|Dm|Am|E7|
このように最後を変化させると、クールでありながらさらに情熱的な展開を演出できます。
実はこのコード進行…
童謡でも知られる「ドナドナ」でも使われているんですね。
ただの童謡になってしまうか、クールなR&Bに出来るか、それは作り手のセンスによります。
童謡とクールなトラックは紙一重であり、これはこのコード進行にどのようにメロディーを乗せるかで、楽曲イメージがまったく変わってしまうというわかりやすい例でもあるわけです。
曲作りに慣れないうちは、乗せるメロディーもコードの構成音で構成してしまいたくなるものです。
でも、コードの非構成音からメロディーを始めることが出来れば浮遊感やスタイリッシュなテイストを聴き手に与えることが出来ます。
海外のR&B楽曲は主に、歌より先にバックトラックから制作されることが多く、コード進行という概念に縛られすぎない傾向にあります。
つまり、鳴っているコードや進行感はありがちであっても乗せる歌がテンション・ノートであったり、
「コードの引力」にあえて逆らうメロディーラインを作る
ことで洗練された雰囲気を作り出しているわけです。
「コードの引力」にそのまま従えば、わかりやすい響きになりますが、逆を言えば、陳腐な曲になってしまう危険性をはらんでいます。
コード進行はあえて、曲を通して最後まで循環させるだけで、
・ドラムのパターンが変わる
・アコースティック・ギターが9thや13thなどのテンション・コードを含んだアルペジオが入ってくる
・サビ感を出すために、歌のオーバーダブ※によって重厚なコーラスを入れる
など
サウンドアプローチによって曲の展開を作り出すわけです。
※歌を多重録音によって何重にも重ねて、曲にバリエーションをつける海外R&Bやソウルなどによく見られる手法。
サウンドアプローチも含めたコード進行
という方法論が、現代的な手法でもあるのです。
その他のR&B進行を挙げておきます。
■Ne-YoやCraig Davidなど、やや4つ打ち系寄りのR&Bによく見られるコード進行です。
洋楽においては、この進行感を曲中ずっと続けることが多いですがベースをオンコードにしたり(もしくは、ルートをあえてとらないフレーズやリフとしてのベースライン)バース・ブリッジ・コーラスの展開をつけるために、シンセやピアノ、ギターなどのパートにサウンド・アプローチとしての変化を持たせることが必要です。
|FM7|Em7|Am7|Am7|
または
|FM7|G7|Am7|Am7|
など
■メアリー・J. ブライジ(Mary Jane Blige)などに見られる90年代以来受け継がれているコード・アプローチ
|Am7|Em7|FM7|Em7|
|Am7|Dm7|Em7|Dm7|
などです。
露骨なコード感は、ポップすぎるサウンドになってしまうのでストリングスやギターなどからサンプリングしたヒットやスタブ系のサウンドをうまく散りばめると、R&B的なサウンドに変身します。
■ドミナント・マイナーを部分的に取り入れるとオシャレ感を出せます。
|FM7|E7|Am7|Gm7|
■さらにスタイリッシュなものとして
|Am9|Gm9|FM7|Bm7 E7|
あるいは
|Dm7|G7|CM7|FM7|
|Bm7-5|E7|Am|A7|
など、詳しい音楽理論がよくわからなくても、上記のようなコード進行をまずは、エレピやアコギなどで鳴らしてみると感覚として頭に入ってくると思います。
流れがつかめたら、分散和音(アルペジオ)、シンセのアルペジエーターや、ヒットやスタブ系のサンプリング・サウンドなど、いろいろ工夫してモダンにスタイリッシュにコードを構築していくのです。
逆にサウンド・アプローチの工夫というよりは、アリシア・キーズ(Alicia Keys)のように、ストレートなピアノ・トラックとして成立させる方法もありますね。
いずれの場合も、R&Bの要であるリズムは洗練されたものにしたいものです。
コード進行
STEP 0
初心者のためのコード進行
STEP1
日本人が好きなコード進行
STEP 2
曲のレベルを
上げるためのコード進行
STEP 3
プロレベル
※コード表記はわかりやすくするために、Cメジャー(Aマイナー)表記になります。