作曲オファーの方法
3つのニーズ
作曲をオファーしたい方たちのニーズは3つに分けられます。
1.アーティスト
想定予算、希望予算 10万円~30万円
プロ品質/商用でオリジナル曲を配信したい、または挑戦したい
個人活動のためプロ制作/アマチュア制作の大きな品質格差を知らないことがある
まずは採算を考えるよりも第一に自分自身をたくさんの人に知ってほしい
国内/海外SNS系インフルエンサーやYouTuberなどの企画やプロモーション曲
演者・技能など団体活動のアーティストのニーズもある
2.音楽レーベル/音楽・芸能事務所
想定予算、希望予算 10万円~50万円
プロ品質かつ採算重視の制作
従来の所属アーティスト/クリエイター完結型から曲制作の外注・分業へ
テレビ等の既存メディアの他にYouTubeやSNS等ネット戦略の活発化
アフターコロナを見据えたビジネスモデルへの急速な進化
オンライン特化型の音源制作が急速に認知され始めている
3.企業
想定予算、希望予算 10万円~100万円
CMやテーマソングのニーズ
ゲーム音楽やアミューズメント系のボーカル曲制作
社歌やイメージソングなど、社独自のプロモーション戦略
プロボーカリストの手配に強い音楽制作会社を望む傾向
歌も含めた即戦力の完成音源が複数曲ほしい
作曲のオファー 3つのアドバイス
1.参考曲を1つ2つにしぼる
イメージを正確に伝えるために参考曲は必要になりますが、必ず1つか2つにしぼることがとても重要です。たくさんのイメージ案があるとかえって主軸がぼやけてしまい、すべての要素を兼ね備えているかわりにすべての要素が薄まってしまうからです。
2.音楽のイメージは必ず音楽で伝える
全体の曲調や質感、メロディーの雰囲気、イメージしているサウンド、そのどれもが言葉を尽くしても決して正確に相手に伝わらないのが音楽です。依頼先には必ず「音楽そのもので」「音色そのもので」伝える必要があります。「音楽で会話する」ことが最良の成果につながる秘訣です。
3.商用作品にするにはプロ制作しかない
予算は誰もが少しでも抑えたいと思うものです。しかし世の中の誰かに届ける音楽にしたい場合はプロ制作しか今のところ選択肢はありません。編曲やサウンド、ミックスやマスタリングなど使用する制作機器がアマチュアとはまったく違うためです。今日の作曲は、編曲やエンジニアリングも含めて作曲になるからです。
日本国内、海外の99%の音楽や映画などのエンターテイメント作品はプロ制作機器を経て形にされている現状がありますので、その制作の流れは21世紀も変わることはないと言われています。(ゲームやアプリの音楽、ストック系BGMなどは除く)
予算について詳しくは 誰も教えてくれない作曲の予算
予算を極限まで抑えるために知っておくべきこと
バンドサウンド(すべて生録)はどのプロスタジオでも人件費やレコーディング費がかなり掛かると知っておく必要がある
ドラム、ベース、ピアノ、ストリングスは生録でなくとも、今やプログラミングサウンドで再現できる(あまり知られていない)
ギターでさえ後ろを支えるバッキングパートであればプログラミングで商用運用可
音源制作は安ければいいというわけではないことも知らないと、活動やリリース面で必ず後悔することになる(自分だけが素人作品のような最悪の現象が起きる)
曲制作と歌のレコーディングをそれぞれ専門のスタジオに必ず分ける(制作機器やエンジニアのスキルが別物であることが多いため)
曲制作と歌録りを別々のスタジオに分けることで予算も必ず抑えられる
作詞を自分でやることで予算を抑えられる
譜面は読めなくてもOK(耳で確認するガイドメロを使う)
※ボーカリストの方のために、歌のレコーディングについての参考を記しておきます
例えばプロアーティストは曲制作とボーカルレコーディングを必ず別々のスタジオに分けます。制作と録音では使うケーブルひとつを取ってもまったく違うからです。エンジニアのスキルもまったく別物です。
自分のレコーディング環境で録音にトライしてみたい方は別ですが、大昔から商用音楽というものは制作機器は変わっても大きな流れとしての制作方法は変わっていません。それはなぜなら、各専門分野のエキスパートが「人間」であることに変わりがないからです。「人間」が手掛けるから音楽は音楽たり得るということですね。
※レコーディングスタジオを選ぶ際は、
Protools HDX またはProtools Ultimateという録音機器完備必須です。
(プロアーティストや商用作品で必ず使用されるものです)
各サイトの「Equipment」(完備されている録音機器)を見れば記載されています。
専門的な機器に詳しくなくても作品づくりに影響はまったくありません。レコーディングスタジオのエンジニアさんがしっかりフォローしてくれるからです。
プロが使う上記機器の名前だけ知っていれば問題ありません。 歌録りやボーカルミックスは各レコーディングエンジニアさんがすべて手配して作業してくれますので専門的な知識はまったく不要です。
歌の音程やリズムも驚くほど完璧に仕上げてくれるので、 皆さんが思っているほどボーカルレコーディングの敷居は高くないのです。
歌のレコーディングはとても楽しいものですので、初めての人もぜひ検討してみてください。もちろんグループだけでなくソロ作品などお一人でレコーディングされる人もとても多いですし(むしろその方が多いです)、音楽を聴くだけでなく、「音楽を発信する楽しさ」をもっともっと多くの方に知ってもらいたいです。
ジャンル別 作曲/編曲オファーの方法
ポップス、ロック、バラードなど
オファー先には「楽器の構成」がわかるイメージ参考曲を提示する
予算を極限まで抑えるためにバンドサウンドをプログラミングで形にする
ギターのみ生録という方法が実は最もポピュラーである
曲をゴージャスにするにはストリングスを入れるのがベスト
デジタルと掛け合わせて音圧や派手さを加える手法もある
デジタル系、ダンスミュージックなど
音色が命なので形にしたいサウンドそのものを伝える
打ち込み=安っぽいはとっくに時代遅れになっている
音圧や派手さは生音系よりも上を行く
ウーファーが気持ちよく鳴るのはデジタル・ミュージックだ
海外では生音よりデジタルの方が好まれる傾向にある
オーケストラ/クラシック系
もはや生演奏だけがオーケストラではない
参考曲は必要ない、オーケストラはオーケストラである
映画の予告音楽などは、ほとんどの場合コンピュータで作られている
オーケストラは曲構造が複雑になるため制作予算(制作時間)が掛かる
最も人が好むゴージャスなサウンドはオーケストラ・サウンドである
ジャンルによってオファーの方法が変わるので、参考になればと思います。